「飛行機ものがたり」で知る、日本の飛行機開発史

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2月配布のYACオリジナル宇宙教材は「飛行機ものがたり~飛行機の誕生と進化~」と「空力翼艇」です。「飛行機ものがたり~飛行機の誕生と進化~」は、飛行機誕生から最新鋭機までの進化の様子が一目でわかり、「空力翼艇」では、飛行機の浮かせる揚力のしくみを学ぶことができます。


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飛行機の歴史にその名を残す名機たちがぎっしり! これはもう、立派な飛行機図鑑です。
ー前回の教材「恒星ものがたり1」では、迫力満点の写真に驚きましたが、今回も写真に力入ってますね! ものすごい数の飛行機の写真じゃないですか。

先生: 私も飛行機が大好きで、いろんな本を読んできたけど、意外とこうやって歴史が一目でわかるような資料が無くてね。一度やってみたいと思っていたんだよ。人間が"空を飛ぶ"ということを考え出してから、それを実現し、現在の最新鋭のジェット機にいたるまでの流れが、見るだけでわかるような教材にしたくてね。難しい解説を読まなくても、夢中で写真を追ってしまうような。


ーダ・ヴィンチの時代のものも含めると、全部で76機も載ってますよ!!! 人力で飛んでいた時期から、エンジン付きプロペラ機になって、さらに現在のジェットエンジン機になるまでに、こんなにもたくさんの飛行機が作られてきたんですね。

先生: これでもまだまだほんのごく一部だよ。歴史的に見て、世界初だったり、大きな功績を残したりした代表的なものだけを選んで載せたんだから。ホントはまだまだ載せたい飛行機はあって試行錯誤したんだけど、これが限界かな(笑)。


ーこうしてみると、日本もずいぶんと昔から飛行機の開発に挑戦していたんですね。この浮田幸吉さんなんて、1785年にグライダーで12mも飛んでるじゃないですか! 江戸時代ですよね、まだ。天明の大飢饉の頃だ。

先生: :そうなんだよ。日本の飛行機開発の昔話はおもしろいものが多くてね。実はこの話だけでも教材が一つ作れてしまうくらいなんだ。浮田幸吉さんは、江戸時代の表具屋さんだったんだよ。ふすまを貼ったりする仕事ね。だから、木の骨格に紙を貼ったグライダーを自分で作ることができたんだ。その後に出てくる二宮忠八さんもすごい人だよ。彼は1891年に、カラスが滑空する姿をヒントにして、日本初のプロペラ機の飛行実験を成功させたんだ。陸軍病院のお医者さんだったから、聴診器のゴム管を使って動力を作ったそうだよ。1893年には、人が乗れる飛行機の製作にとりかかったんだ。ライト兄弟がガソリンエンジン付きのプロペラ複葉機で空を飛んだのが1903年のことだから、もしかしたら、幸吉さんが世界で初めて飛行機で空を飛んだ人になったかもしれないね。ただ、残念なことに、彼には飛行機を開発する資金がなくて。模型を作って軍に開発をお願いするんだけど、断られてしまうんだ。資金が無くて苦労しているところで、ライト兄弟が飛行に成功したというニュースをきき、飛行機の開発をやめてしまったんだよ。


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YACロゴがあしらわれた空力翼艇。机の上をスイスイと滑るように飛んで行きます。
ーううっ、なんだかくやしいですね。資金さえあれば、もしかしたら、あのライト兄弟よりも早く日本人が飛行機で空を飛んでいたかもしれない、って思うと。

先生: 先を越せたかどうかは微妙なところだけど、もっといい勝負が出来たかもね。二宮忠八さんについては、その後も面白い話があって。飛行機が当たり前になってくると、今度は事故による犠牲者が増えてくるでしょ。それに心を痛めた忠八さんは、飛行機事故の犠牲者の霊を祀る神社を京都に作って、そこの神主さんになったんだよ。波乱万丈の人生だね。ここに出ている飛行機1つ1つに、忠八さんのような興味深いエピソードが隠されているはずだから、みんなも自分の好きな飛行機を見つけたら、その飛行機を誰がどのようにして作ったのかいろいろ調べてみよう。きっと面白い話が見つかるはずだよ。


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空力翼艇が浮く秘密は、このカーブにあり! 
ーさて、もう一つの教材、「空力翼艇」についても教えてください。輪ゴムを引っかけて、机の上で飛ばすと、机の上を滑るようにスイスーーーイと進みますね。そんなにツルツルした机でもないのに、なぜなんでしょう???

先生: この空力翼艇の機体を真横から見て、なにかに似ていると思わない? 上が山型に出っ張ったかまぼこのような形。そう、飛行機の翼と同じ形をしているんだよ。この形がスイスイと滑る秘密なんだ。上のほうが丸みを帯びているから、風の流れは速くなる。風が速く流れると、その分気圧は低くなるから、上のほうが下より気圧が小さくなるでしょ? 物質は気圧の小さいほうに引きよせられるから、機体が少し浮くんだ。だから、机の上でも滑るように進むことができるんだね。このように上に上がろうとする力のことを"揚力"と言うんだけど、飛行機はこの"揚力"を使って空を飛んでいるんだよ。


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紙の間に息を吹きかけると、あら不思議、内側に吸い寄せられた!
ーち、ちょっと難しいですね。

先生: じゃあ、わかりやすい実験をしてみよう。ここに2枚の紙をこうして平行に持ってみる。そして、その間に息を吹きかけて風をおくってやる。単純に考えると、間に風を送り込まれたら、外側にむかって紙がなびきそうなものだけど、、、、さぁ、やってみるよ。


ーわっ!!! 紙が内側ではりついた!

先生: これは風が送り込まれたことによって紙の間の気圧が低くなり、紙が真ん中に引き寄せられたからなんだ。この引き寄せられる力が空力翼艇の上側に働くから、機体が浮いているんだよ。


ーいやー、今回もホント勉強になりました。さて、恒例の次回4月の教材の予告なんですが、次はどんなものを考えているんですか?

先生: 次回は「生命の進化」をテーマにした教材だよ。そして、さらに次々回の6月配布予定教材も、もうすでに開発を始めていてね。今年の7月には、大きな天文イベントが控えているでしょ? 


ーはい! 7月22日の皆既日食ですよね。もしかして、皆既日食に関係する教材ですか!?

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皆既日食観察のための教材を開発中の宮崎先生。一体何ができるのか、待ちどおしい!
先生: 大当たり! 皆既日食の観測を思う存分楽しめるような教材を考えているから、みなさんお楽しみに!


宮崎總一(みやざき そういち)
日本宇宙少年団理事、全国中学校理科教育研究会顧問。東京都公立小中学校の理科教諭校長を経て、平成8年退職。この間、文部科学省学習指導要領作成委員、東京都および全国中学校理科教育研究会会長などを務める。退職後は、NASDA/JAXA「コズミックカレッジ」などの事業企画・運営のほか、YAC副本部長として、YAC機関誌「ジュニア・サイエンティスト」(平成19年3月をもって休刊)編集、YACリーダーズセミナー企画・運営などに携わる。現在、YACオリジナル宇宙学習教材の開発を担当。
 

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