
2016年8月19日(金)、「ひまわりなんでも調査隊」のトークイベントが公益財団法人日本宇宙少年団(YAC)と三菱電機の共催で、東京・銀座のMEToA Ginza(メトア ギンザ)にて開催されました。このイベントにタウンワークによる「激レアバイト」のメンバーが参加! トークイベントのプログラムを分かりやすくレポートしてくれました!
気象庁観測部の安井さんから、気象庁でのお仕事内容と気象衛星ひまわりの役割についてお話をしていただきました。
気象庁では、気象衛星をはじめとした様々な観測機器から気象に関する情報をあつめています。その情報を元に予報官の方が天気予報を作成してくれるそうです。
今回はその中でも気象衛星『ひまわり』に注目。ひまわりの一番の目的は日本に近づく台風を監視すること。台風は日本から離れた南の位置で発生することが多いですが、海上では観測所を設けることが難しいため、気象衛星を使うそうです。台風が多い日本だからこそ気象衛星である“ひまわり”が必要不可欠になっているのですね。
ひまわり8号の特筆すべき点として、観測できる画像の種類が増えたことが挙げられるそうです。今まで雲の様子は白黒の画像しか得られませんでしたが、ひまわり8号の観測カメラでは、その多くの種類の画像を組み合わせて加工・着色することで、その雲が積乱雲なのかどうかや、火山の煙がどこに広がっているのかなどを色で判別できるようになったとのこと。色に分けて表示することで、目で見て何が起こっているのか瞬時に分かるのでとても便利ですね。
災害が起こりやすい日本だからこそ気象衛星『ひまわり』は必要であるということ。そのために多くの人・時間・技術を使って開発がされていると知り感動しました。
ひまわり8号を開発した三菱電機の磯部さんから、人工衛星の仕組みと開発秘話についてお話を伺いました。
そもそも人工衛星はなぜ地上に落ちることなく飛び続けることができるのか。それはとても早いスピードで飛んでいるからだそうです。
ボールを投げる話をたとえにわかりやすく解説していただき、参加した子供たちも何度も頷きながら話を聞いていました。
開発秘話では、人工衛星は一度打ち上げてしまうと修理ができないことを教えてもらいました。だからこそ、地上で徹底的に動作試験をしているのだそうです。
宇宙は激しい温度差、放射線や紫外線といった地上とは違う過酷な環境であるため、その環境に耐えられるかどうかを試験します。実際の開発・製造だけではなく、厳しいテストに長い時間をかけてひまわりは開発されたのです。
私たちの生活が人工衛星・ロケットといった最先端の技術によって支えられていることを実感すると同時に、私自身もいつか自分の学んできた学問や技術を活かして人の役に立ちたいと感じました。
テレビ局でお天気キャスターを務める藤森さんからは、お天気キャスターのお仕事内容と天気予報を活用した防災の話を聞かせていただきました。
テレビ局では気象予報士の方が24時間天気を観察し、何が起こってもすぐに伝えられるような体制を作っているそうです。
天気予報のコーナーは、原稿や内容もすべてお天気キャスターの方が自分で考え、何時間もかけて準備をしているとのこと。
後半は、防災に関するクイズを通して、みんなで雷から身を守る方法などを学び、天気予報は次の日が晴れなのか雨なのかだけではなく、災害を防ぐためにも役立つことを知りました。
雲を作る実験が行われると、イベントに参加した大人も子供も目の前で雲ができる様子に驚いていました。天気の知識だけでなく、体験を通して親子で学習できる今回のイベントはとても素晴らしいと思います。
宇宙に興味のある小学生が席の大半を占めていた今回のイベント。子どもらしく可愛らしい質問から講師陣を圧倒するようなマニアックな質問まで様々な質問が出揃いました。
その中でも私が気になった3つの質問とその回答をご紹介します。
一つ目は、三菱電機の磯部さんへの質問。
「人工衛星ひまわりを作る過程で1番大変だったことはなにか」
答えは「ひまわりに搭載したカメラの向きをぶれないように安定させること」だそう。
人工衛星ひまわりの開発期間は5年でしたが、カメラを調達するための調整とその製造に、実に4年もの歳月を要したそうです。この間、様々な苦難があったそうですが、それを乗り越えて太陽をひたむきに見つめ続ける『ひまわり』の名にふさわしく、私たちの住む地球を見守り続けるこの衛星が完成したと知り、深く感動しました。
二つ目は、気象キャスターの藤森さんへの質問。
「ひまわり7号から8号へと移行したことで予報はどれくらい当たるようになったか」
答えは「天気予報の適中率は8割くらいだが、これまでより狭い範囲の詳しい情報がわかるようになった」。
昨今ゲリラ豪雨による被害が話題になっていますが、ひまわり8号・9号の登場で、より詳しく実況監視が出来るようになりました。洗濯物を干したのにまた洗い直す苦労に悩まされていた世の中のお母さん方も、ゲリラ豪雨が事前にわかるようになれば喜ぶこと間違いなしでしょう。
三つ目は、気象庁の安井さんへの質問。
「ひまわり10号に新しく搭載したい観測機器はあるか」
現在ひまわり9号の打ち上げや運用もまだであるなか、10号という先を見据えた質問には講師のみならず会場のスタッフや保護者も感心していました。
そして、この答えとしては「ひまわり8号・9号の運用はこれから十数年続くので、10号のことは将来の技術の状況に応じて考えることになると思う」とのことでした。
最初にお話をお伺いしたのは三菱電機の磯部さん。
人工衛星とは失敗の許されないものづくり。普段私たちが学校で受けるテストというのは必ず100点をとれるわけではないし、80点くらいでも大半の人は満足します。しかし、人工衛星は常に絶対に100点をとらなければなりません。そのためには何年間もの開発期間を経て、24時間体制での試験を徹底的に行い、少しの異常も見逃さずに完璧な品質を目指す必要があります。そのため、宇宙や衛星、ものづくりそのものに関する知識だけでなく、粘り強く多少のことではへこたれない忍耐力と、最後までやり遂げる強い意志を持った人材を求めているそうです。
次にお話をお伺いしたのは気象庁の安井さん。
最後にお話をお伺いしたのは気象キャスターの藤森さん。