水ロケットシミュレーターの
開発と活用

宇宙教育用計算ツールとは

子供たち自身による簡単な操作によって、条件や物性値などの各種パラメータを変化させながら、専門的な計算の結果を導き出すことができるツールです。
水ロケットシミュレーターでは、水の量、空気の圧力、発射角など、水ロケットを構成する複数のパラメーターを入力すると、水ロケットの飛行距離、高度、飛行時間等を計算して出力します。

計算ツールを導入する目的

より効果的な宇宙教育を実践するための補助として

  • 効率的な授業展開

    • 試行錯誤や実験の一部をツールを用いた計算に置き換えることで時間を節約
    • 浮いた時間を科学的考察や創意工夫などのより本質的な部分に費やす
  • 考察・試行錯誤の幅を広げる

    • 定量的評価への敷居を下げる
    • 条件を変えながら定量的な評価を繰り返すことができる
    • 各パラメータの影響について考察する
  • 高度な学習内容への動機づけ

    • 各パラメータが結果に及ぼす影響を実感し、科学的考察を深める
    • 計算過程に興味を持つきっかけに
    • より自由度の高い計算を求めるように
  • 継続的な取り組みを可能に

    • 宇宙教育イベントやプログラムが終わって帰宅した後も使用可能
    • 自宅や学校での自主的な取り組みに用いることができる

水ロケット教室について

  • 子供たちに人気の教材
  • 自分自身で作ったものが空高く飛ぶ姿に感動
  • 学べる事柄が多い

一方で、以下のような課題も

  • 工作を含むため、時間不足になりがち
  • 作って飛ばすだけのイベントになりがち
  • 対象が低年齢になりがち

「工作」と「打上げ実験」を繰り返し行うことができれば…

  • 試行錯誤による最適化の過程
  • 各パラメータの科学的な意味

などを学ぶことができる

フィンの大きさと位置おもりの重さ水の量圧力発射角

水ロケットシミュレーター

翼の面積、位置、おもり重量、水の量、加圧圧力、発射角、風速など入力してボタンを押すと、飛翔運動をシミュレートしてアニメーションで表示する

試行錯誤プロセスの擬似体験

(1) 従来の水ロケット教室

本当は、「工作」や「打上げ」を繰り返し行うことにより試行錯誤したいが、実際は時間がない

  • ① 工作

  • ② 打上げ

  • ③ 考察

(2) 水ロケットシミュレーターを用いた水ロケット教室

シミュレーターを用いて計算を繰り返すことにより、試行錯誤の疑似体験ができる

  • ① 工作

  • ② 計算

  • ③ 考察

  • ④ 打上げ

実践例

水の量を変化させながら飛翔シミュレーションを繰り返す

  • 水量の最適値を見つける
  • なぜ水が少なすぎても多すぎても飛ばないか考察する

シミュレーター解説動画

シミュレーションの必要性について

水ロケットシミュレーターについて

YAC種子島スペースキャンプ2025・春 での活用例

iPadを活用して事前に計算・考察し、実際の打ち上げを実施しました。